昨日の話だ。
むしゃくしゃしていた。どうだ。
博物館で切れ散らかした。
どうだ。恥ずかしいのは私じゃあないか。
俺は金持ちや上流階級が大嫌いだ。猶更、特権階級は死ねばいいぐらいに考えている。
だが、どうだ、嫌われたのは私の方だ。当たり前である。
自分のせいで、さらに自分の理論の価値を下げたのだ。
救いようがない。
自分のしたことに気づいたとき。正確には冷静になった時、恥ずかしくなった。
正直焦った。逃げるように博物館から出た。
まさに滑稽である。
だが、どうか。その後は気分がよかった。心地よかった。希望があったのだ。
卑怯なコウモリというイソップ童話を思いだしたぐらい。
ただ。ただ、その後食べたラム肉のステーキの味は忘れられない。